タコ息子の新しいブログでなぐり書き

しょうがないからこちらに移行しました。

M-1・決勝

なんとなくモヤモヤした感じのある結果ではありますが、

そのモヤモヤの原因はなんなのだろう?

最終決戦で票が割れたのもあるし、

そもそもで優勝該当者があの3組の中にいなかったのではというのもあるし。

演出や出番順の全てがかみ合わなかった感じもあるし。

観てるときは感じなかったけど、お客さんが少なかったことによって

現場では突き抜ける感じにならなかったのかもというのもあるし。

1個1個のネタは素晴らしいんだけど、

なんだかいろいろかみ合わなかった印象のある2020年のM-1でした。

 

<オープニング>

オープニング映像の間に2回もCMに入るというのがまず

気持ちの高ぶりに水を差す感じがありましたね。

あと敗者復活の発表も、あの舞台下の配置でいままで通り

下位から発表すればよかったのではないかと。

なぜそこをカットする必要があったのか、疑問でしたね。

そして何より、いきなり敗者復活がトップバッターになってしまったのも

いよいよ始まる感がぼやけてしまって、なんとなくふわっとなってしまいました。

そしてコロナで集まるスタジオが遠くなってしまったせいで

選ばれてからすぐ漫才するというスピード感も失われてしまって。

あそこを走ってスタジオに駆け付けるとかにしたら

演出的にはワクワク感が高まったような気がしますが、

今年に関しては、笑神籤じゃなく、

出番順は事前決定で良かったんじゃないかという気もしました。

全てコロナが悪いと言ってしまえば簡単なんですが、

もうちょっと演出で何とかできなかったのかという感じはします。

 

1.インディアンス(敗者復活)

トップとしては十二分の働き。ここは出番順に泣かされた感じがありますが、

いい感じで「前説」になって、番組的にはよかったんですかね。

正直出番順が良かったら優勝もできたんじゃないかという出来でした。

敗者復活の結果的には、まあまあ異論はないんですが、

でも結局のところ復活初年度以外、

決勝経験者しか敗者復活できてないじゃんと考えると、

敗者復活にもうちょっとドラマが欲しいですね。

その点では学天即、コウテイ、金属バットあたりの勝ち上がりを期待したけど、

力及ばずという感じでした。

 

2.東京ホテイソン

シンプルな備中神楽ツッコミのときに上がってたら

もっとインパクトを残せたのかもしれないけど、

2巡3巡目のネタだから、準決勝は上がれても

決勝ではくりすぎの印象になっちゃいますよね。

本当に賞レースはめぐり合わせが大事だと痛感しました。

 

3.ニューヨーク

ここは出番に泣かされた感じですね。

もう少しあとだったら結果も違うことになってたと思うのですが、

ニューヨークが次からの3組の前座になってしまいましたね。

運に負けましたか。

 

4.見取り図

その点ではここは運を多少味方につけた感がありますが、

やはり突き抜けるところがないのが見取り図の弱点ですかね。

トータルテンボスみたいな感じ。いや、十分に面白いんですが。

 

5.おいでやすこが

ここが今年の最大の見どころだったというか

準決勝同様見事に弾けて堂々の1位通過。

今年はごちゃごちゃ考えずにスカっと笑えるものが求められてたんでしょうね。

来年はすでにR-1王者として既視感のあるマヂカルラブリーよりも

こちらが注目されるのかもしれません。

 

6.マヂカルラブリー

良い流れに乗ったというのもありますが、

何よりも1本目をこちらにしたというのが勝因。

準決勝はつり革のネタで大ウケでしたが、

2本目感のあるネタだったので、1本目としてはこちらが最適でした。

良い流れに乗ったと書きましたが、

流れ的には前半終了という感じでいったんリセットされていた感もあったので

他の組が来たら点数の下げどころになってしまってた感じはあります。

そこを強引に上塗りできたところがマヂカルラブリーの勝因でしょう。

 

7.オズワルド

その点で、ここは下げどころだったと思うのですが、

思いのほか盛り上がったので、大幅な下落とはなりませんでした。

ただどうしても前2組とは見劣りがするため、あと一歩及ばず。

最終出番だったらなんとかなったかもしれませんけどね。

でも実力は見せてくれたと思います。

 

8.アキナ

ということで、ザ・下げどころとなってしまったアキナ。

準決勝を観た段階で、決勝ではハマらなそうだなと思っていたのですが

案の定厳しい結果になりましたね。

まず事前VTRで40歳と紹介されている人がやるネタではないし、

前置きがあってのコントインではなく、

ハナからコントインしているというのが、

見方の提示という点では気になってしまいました。

そこを省略する必要はあったのかなと。

華がある人たちではあると思うのですが、

いまだに全国の壁に苦しんでいますね。

平場の全国バラエティでの露出が増えれば

そこらへんも解消されるのかもしれませんが。

 

9.錦鯉

せっかくだったら10組目に観たかった感じはありますね。

ラスト出番の後押しがあったら最終決戦も夢ではなかった。

個人的にはこのネタは2本目感のあるネタで

もっと自己紹介的なネタのほうが良かったのではないか

という気がしました。

まだそこまで世間的に、まさのりさん=バカの等式が

頭にない状態だと思うので、

もっとわかりやすいバカが見たかったですね。

 

10.ウエストランド

ここも結果的に、第一波で売れきらなかったのが全てというか

第二波で決勝まで来れたのはすごいんですけど、

世に出てきた頃の衝撃を上回るほどのものではないというか。

結局はお笑いコミュニティの中での認知度ではなく

世の中の認知度に合わせてネタ選びしないと

M-1では勝てないということですかね。

長く準決勝あたりでくすぶってた人たちの課題は

そこのような気がします。

その点、錦鯉は健闘したほうだと思いますが、

出順とネタ選びの大切さが身に染みた今回のM-1でした。

 

最終決戦1.見取り図

十分に面白いし、場合によっては優勝もあるなと思いましたが、

結局のところ、あと一歩見取り図を押しきれないものとしては

「格」というところなんだと思います。

京進出して全国的な知名度があがれば

来年こそという感じもありますが、

やっぱりトータルテンボスで終わっちゃうのかなという気がします。

 

最終決戦2.マヂカルラブリー

ほとんどしゃべらないネタということ漫才としてどうか

という議論は当然巻き起こるべくして起こってるんですが、

きっと関西の人はこれを漫才として受け入れてくれないのかもしれないですけど

東京目線だったら「これも漫才」ですよね。

 

最終決戦3.おいでやすこが

ま、ユニットコンビなのでしょうがないと言えばしょうがないんですが

2本目まで詰め切れなかったというところでしょうね。

惜しいことをしたと思うけど、でも大健闘だったと思います。

ここが優勝してたらどうなったんだろうという期待もありますが

2位でも十分来年はテレビに引っ張られると思うので(特に小田さんは)

それに期待しています。

 

総評

漫才という形にこだわる人(≒関西の人?)は「見取り図」

笑いの量にこだわる人は「マヂカルラブリー

斬新さにこだわる人は「おいでやすこが」で三分されて、

その中で、漫才という形にこだわる人の一部が

「おいでやすこが」に流れて、

斬新さの人が少し「マヂカルラブリー」に分かれた。

みたいな票の入り方だったのでしょう。

M-1としては初めて「過半数に指示されていない王者」の誕生と共に

初めて「正統派漫才ではない王者」の誕生となったわけですが、

このコロナ禍に求められていたのは、

何も考えずに笑えるネタだったのかなという気がしますね。

見取り図は小難しすぎたのかもしれません。

漫才としては一番だったんでしょうけどね。

あとは決勝にニューヨークが来てたらどうなっていたのか?

空気のようになってしまったのが残念でなりません。

 

なんとなくこれでいろんなジンクスやら固定概念やらが一旦壊された感じで、

来年以降、正統派じゃない漫才にもより門戸が開かれた感じもありますが、

一方で正統派への回帰の流れになる可能性もあって、

さらに戦略が難しくなってくる感じがあります。

でも結局のところは「笑わせたもの勝ち」になるんでしょうね。

 

来年の展望としては、

マヂカルラブリーが連覇を目指してくる可能性もありますし、

おいでやすこがは今年だけのような気がしますが、

何よりもコロナが終息して、制限なしにお笑いが観れるのが

一番の願いかもしれません。

と、柄にもなく真面目な締めとなりましたが、

キャッチフレーズ通り「M-1は止まらない」んだと思います。

来年も期待!

 

あ、TheWも面白かったですが、熱量的にレビューはしないと思います。