タコ息子の新しいブログでなぐり書き

しょうがないからこちらに移行しました。

TheW2021決勝

先発のM-1がもっとも競技としてわかりやすい審査方式を取り入れ

後発の大会は独自性を出そうといろんな審査方式を試したが

結局KOCやR-1も審査員の数や質は違えど同じ方式となった。

そして最後発のTheWはまだ大会として試行錯誤の最中。

ノックアウト方式は、2014のKOCのファイナルでも実施されたが

どう考えても得点方式以上にトップ不利、トリ有利の方式。

日テレらしく視聴者も審査に参加できるのを売りに、

視聴者に判定させる回数を増やすという意味でこの方式にしたのは、

エンターテイメントとしてわからなくもないが、

今回は個々の対戦においてその視聴者投票はなかったので

この方式で進める必要があったのかは全くもって不可解。

そしてその唯一の視聴者参加のタイミングだった国民審査は

票数や2位以下の順位も明らかにされないまま、結果だけが発表された。

(ホームページやSNSに載ってるのかもしれないけど)

ノックアウト方式は去年や一昨年も採用されていたが

これまでは、そこまでわかりやすくこの方式の有利不利が結果として出なかった。

だが、今回はA、Bブロック共にトリの組が決勝進出という“不幸”も加わり

わかりやすく批判の対象となってしまった。

最終決戦も、天才ピアニストがストレートで決勝行っていたら

結果も変わっていたかもしれない。

そこはどの大会形式にもあるクジ運というところに終始すると思うが、

もういわゆる全国賞レースが始まって20年経つんだから、

競技としての公平性ならM-1方式、

ネタ運での不利を軽減したいのなら旧R-1やTheMANZAIで採用されたブロック制。

そしてクジ運での左右を避けるなら、

普通に予選順位順にネタをやるか、もしくはその順に好きな出順を選べるか。

でもそれはそれで、もうこの人は何位の人なんだという色眼鏡でネタを観るから

下位の人はまた不利になってしまうんだけど。

結局大会形式としては今のM-1が敗者復活の人気投票以外は一番理想的な

大会形式だと思いますが、

そのM-1だって予選の出番順はどうやって決まってるんだというところもあるし

逆にすべて透明にすることが有利不利に影響することもあるし、

とはいえ大会全部終わったときに、予選結果含め全部点数オープンとかにしたら

挑戦した芸人たちは、目標を見つけやすいと思うんですけどね。

ま、いち民間のテレビ番組がそこまで背負う必要があるのかと言われれば

それまでなんですが。

 

本編の寸評です。

◎A-1 ヨネダ2000

M-1の3回戦の動画とネタ時間は違うが同じネタ。

作品として良く出来てると思うし、

「どすこいどすこい」の声が絶妙に面白かったりもするし、

ただ中毒性はあるけど評価されにくいネタだろうなという部分はあって、

M-1の準々決勝以降に別のさらなる隠しネタがあったとするならば、

そっちも観て見たかった気がするけど、

M-1と並行して勝ち上がったことはマイナスにしかならないような気がするので

そう考えるとWの大会の開催時期自体、考えてあげたほうが良い気がする。

というかこのくらいのライトな大会だったら、優勝賞金500万にして

ものまね番組みたいに春・秋2回開催とかにしてもいいんじゃないだろうか。

女性芸人のネタでの出ジロを増やすという意味では、

そういう選択もある気がする。

そしてそれはR-1にも同じことが言える。

 

◎A-2 紅しょうが

ちょっと集中できない環境で観ていたので、

繊細な部分を聞き逃している可能性があるのですが、

昨年ほどの熱量を感じなかったというか、

それは題材のせいなのか動きの少なさのせいなのか。

突き抜けた笑いが起きていなかったようなイメージです。

 

◎A-3 茶々

これは女性芸人さんを評する言葉としては

むしろマイナスの評価なのかもしれませんが

一定の綺麗な人が狂気的なネタをやるのは一様に好まれるのかなと。

鳥居みゆきさんほど振り切っていれば

またさらに評価は上がったのかもしれませんが、

2年目ということを考えると、

セリフなしの演技で見せるという選択も良かったのかもしれませんし、

素の人間としての狂気性ももし併せ持っていれば

バラエティで見かける日も遠くないかもしれません。

 

◎A-4 TEAM BANANA

個人的には笑いがわかりやすかった分、

紅しょうがよりも上に行くかと思っていましたが、

毒という部分がマイナス評価になってしまったのか

惜しくも敗退。

こちらが勝ち上がっていたら

その後の結果も大きく変わったような気がしますが、残念。

 

◎A-5 オダウエダ

オダウエダは金玉伸ばしたりのネタが印象にあって

だいぶおとなしく、良く言えばテレビ的になった印象で

まあ面白いけど、正統派漫才のほうが評価されるかと思ったら

こちらが選ばれましたか。

もともと多ジャンルの大会だから評価基準って難しいんですが

正統派が評価される大会なわけでもないんだというのがわかりました。

 

◎B-1 天才ピアニスト

設定、展開文句なく、いいネタだったと思います。

やや間延びするところがあったのが唯一のマイナス点というか

そこもちゃんと詰まってたらもう一歩上に行けたのかもしれませんが。

 

◎B-2 女ガールズ

まあアマチュアの漫才はこういう場ではキツイですよね。

ハードル上がってる上に地肩がないわけですから。

準決勝観ていないのでなんとも言えませんが、

ここ上げるならもっといろんなものを背負っている人を上げて欲しかった。

だからこういうライトなことがやりたいんなら

半年に1回の特番にしたほうがいい。

 

◎B-3 ヒコロヒー

もともとあんまり大衆にハマるタイプのネタやる人ではないから

選ぶんならもっと無名のときに選んであげたほうがよかったし、

とはいえ選ばれたとてだったと思いますが、

もっとネタで評価されていい人だけに、

なんか最近人気だから選ばれた的な見え方になってしまったことが残念です。

 

◎B-4 スパイク

去年の準決勝観る限りは優勝候補だったし、

今年もそれがあったのでここが行くかと思いましたが

思ったほどハネずに敗退。

まあ大会だからウケが弱かったら負けるのはしょうがないけど

優勝したらタレントとして一番売れたのはここだったでしょうね。

ま、優勝関係なく近々売れるのかもしれませんが。

 

◎B-5 Aマッソ

Aマッソにしてはベタな内容でしたが、

それが賞を獲りに来た感じもあり、ベタだからウケたという感じもあり

なんとなくしっくりこなかったですが、結果はファイナル進出。

いやまあ結果は上がってもおかしくはない感じですが

「しっくりこない」という感覚がどうしても残りました。

 

☆国民審査枠 天才ピアニスト

至極真っ当な評価で、一安心というところがあったんですが、

事前の準決勝敗退組からの敗者復活ならともかく、

当日番組内で明確に負けを宣告された人たちが復活してくるのは

かなり違和感がありますね。

じゃあ点数方式で10組中3組でよかったじゃんとも思うし、

じゃあ去年までみたい各対戦の一票を一般票でもよかったじゃんとも思うし。

導入初年度からいきなりここから優勝しちゃったら

予選ブロックなんだったのってなっちゃうし。

視聴者にこびているのに視聴者を信頼していない謎制度ですよね。

そういえば歌ネタ王も似た制度あったか。

 

◎決勝1 Aマッソ

プロジェクトマッピング漫才は新しくもあるけど、

どこか受け入れがたい部分もあって、

単独ライブの1ネタとしてはいいかもしれないけど、

こういうガチ勝負形式だと評価しづらいネタなのかなと

 

◎決勝2 天才ピアニスト

これも本当によくできたネタ。

でもそこでやっぱりひっかかるのは、

この制度で上がってきた人優勝させちゃっていいのかという不安。

その不安を抱かせる次点でこの制度は成立していないんですよね。

ただ一つ。天才ピアニストが面白い芸人だということは確認できたと思うし

願わくばそれが世間にまで行かなくても業界内に伝わっていれば御の字ですが。

 

◎決勝3 オダウエダ

明らかに前2組より弱かった。そしてオダウエダらしさもそれほどなかった。

でも初見だとそれも強い個性に見えたのかな。

結果3-2-2でオダウエダの優勝。

マヂカルラブリーの時も思ったが、3票って過半数に達してないわけで、

そりゃ結果として優勝は優勝なんですが、

不満を持つ人もそりゃ多いだろうなと。

結局その不満が大会形式やら、客の軽さやら、

ひいては芸人への批判になっちゃうんだから

不満の少ない大会システムにするというのが

大会主催側の最低限の役割なんじゃないのかなと思う。

 

ま、でもネタが素晴らしければシステムなんて関係なかったりもするし

結局は突き抜けたネタがなかったということに終始するかもしれません。

今年のM-1も同じような感じになりそうな気もするけど、

あとはみんなが納得行く正統派漫才が敗者復活で上がってくるかどうか。

そこに該当するのは「見取り図」だけのような気がするけど。

なんとなく決勝メンバーでちょっと物足りない感じがするときは

「敗者復活」に期待するところがありますよね。

 

TheWも日テレなんだから節操なく、敗者復活戦取り入れたりしてみたらいいのに。

とにかく芸人の輝きがしっかり伝わる大会運営を。