タコ息子の新しいブログでなぐり書き

しょうがないからこちらに移行しました。

レッドカーペットとエンタの神様

まず最初に、昨日『爆笑レッドカーペット』の記事の中で、
「今のところエンタの方が2枚も3枚も上」って書いたんですが、
これはあくまで“レギュラー放送する番組として”という意味で、
笑いの質はレッドカーペットが上だということを補足しておきます。
   
その補足を踏まえた上で、両番組の比較をしたいと思いますが、
レッドカーペットがレギュラー放送としてエンタの神様に劣る大きな要因の一つは、
出演する芸人のネタの面白さのピークが、初登場時もしくは
初登場じゃなくても出て2、3回目の序盤に偏ってることだと思うんですよね。
そしてそれをピークにあとは類似ネタの繰り返しで徐々に下降線を下っていって、
最後は全く毛色の違う別ネタをやって見切りをつけられる。
こういう傾向に陥っていく芸人がレッドカーペットでは多々見受けられます。
一方でエンタの神様は、面白いか面白くないかは別として、
多くの場合が初登場時から一定レベル、もしくは繰り返すに連れて浸透していき、
右肩上がりになっていく傾向が強い。
今のこりゃめでてーなとかスリムクラブなんて、
はっきり言ってお笑いファンから見るとどうしようもなく質の低いネタなんだけど、
あれだけ繰り返しやってるから、毎週見てる子供たちなんかには浸透してて、
しかもそれが毎週出てれば毎週見る。
よほどのお笑い好きでもなければ、ネタの質うんぬんよりも、
浸透していて仲間内で共通の話題になるかどうかの方が重要ですからね。
それがエンタの神様が長続きしている大きな要因なのでしょう。
その一定レベルを保てる背景に裏に作家がいるというのが大きいと思いますが、
(それがお笑いファンの中にエンタ嫌いを増長させる大きな要因なんですが)
逆にいうとレギュラーの1時間のネタ番組を長く続けるには、
そのくらいの裏方の努力が必要ということでしょう。
レッドカーペットはガチンコ(というのか?)で、
そのいわゆる“裏方の努力”はほどんどない分、
(コラボ企画は多少作家色が強いのでガチンコ感が薄いですが)
ネタの劣化が著しいし、
次回の出演者なんかを見てみると、連続出場する芸人はほどんどいないので、
ま、その辺は出演する芸人への配慮が見えていいのですが、
でも見たい芸人が毎週見れないのは、レギュラー放送にとっては致命的だったりする。
だから結局のところ、レッドカーペットは
レギュラー放送には向いてないという結論に達するんだと思います。
レッドカーペットにとって唯一の救いは、
このレギュラー化が「半年間限定」というところでしょうけど、
それも変に数字がいいと、覆されますからねぇ・・・。
(ちなみに初回の視聴率は16.2%だったようです。)
 
と、ここまで書いて思ったのは、そういえば昔、
ショートネタ番組で毎週質の高い笑いを産み出していた番組があったよなぁと。
それが『ボキャブラ天国』。
あ、もちろん芸人ランキングになってからの話です。
あの番組は今でいう『レッドカーペット』に出るクラスの芸人さんが、
毎週ネタ(といってもダジャレネタですが)を披露してたんですよね。
ま、その背景にはこちらも作家がいたようですが、
今の『レッドカーペット』と『エンタの神様』の要素を両方持ち合わせていて、
しかもネタも本人達の本来のネタじゃないから、本ネタも消費せずストックされる。
さらにはネタをやりっ放しではなくスタジオでのトーク部分もあり、
ランキング・入替形式というシステム的な面白さも加わっている。
ま、ゴールデンに昇格してから一気にその勢いを失ってしまいましたが、
今考えるとかなり完成されたレギュラー放送のネタ番組だったと思います。
   
だからそう考えても、1分ネタで、
しかも何の後ろ盾もなく自分達の本ネタだけで勝負しなければいけない
爆笑レッドカーペット』のレギュラー放送は、
芸人にとってかなり酷な番組なんですよね。
でも逆に言えば、今の星の数ほど芸人がいる時代に、
その芸人をふるいにかけるには、こういう番組の存在が必要だったのでしょう。
そういう意味ではまさに時代とマッチした番組なんだなぁと。
この番組が『ボキャ天』や昔の『THE MANZAI』のような、
後の核となる芸人を産み出す番組となるのか??
そういう観点でも半年間この番組を見守っていきたいと思います。
   
爆笑レッドカーペット』の過去の出演者は、
お笑いなぐり書き』より「爆笑レッドカーペット」でご覧ください。