タコ息子の新しいブログでなぐり書き

しょうがないからこちらに移行しました。

『M-1グランプリ2009』決勝戦感想

オープニングはなんか今年で最終回なのかと思わせるような
作りになってましたね。
そしていつもは松っちゃんと新審査員くらいにしか
コメントを求めないのに、
今回は全員にコメントを求めていたけど、
あれは優勝トロフィー返還がなかったから、
時間をつないでたんですね。
とはいえ後々だいぶ押してたみたいだけど・・・
それでは1組ずつ感想を。

1番 ナイツ 4位・634点 タコ息子採点・85点

なんだかんだで今回はこのネタしかなかったんですね。
ただこれまで断片的に見てたときは
なんかイマイチだなと思ってたけど、
ちゃんと4分ネタとして出来上がっていましたね。
予想していたよりも全然良くて、
80点基準にしようと思ったけど5点上乗せしました。
でも去年の乗りに乗ってた時期と比較すると、
どうしても物足らない印象はありました。
ここはおそらくトップじゃなくてもこの点数だったでしょうね。

2番 南海キャンディーズ 8位・607点 タコ息子採点・81点

リーダーも言ってたけど、ナイツの詰め込んだ漫才の後だと
動きが多い分、ボケの密度が少なくなっちゃいましたね。
あとテレビサイズで見ると、
どうしてもタレント・南海キャンディーズと比較されてしまうのが、
後のハリセンボンもそうですが、厳しいところだと思います。
出来はまずまずだったと思うけど、
いかんせん会場が盛り上がってなかったので、しょうがないですね。

3番 東京ダイナマイト 6位・614点 タコ息子採点・72点

ツカミの話しながら出てくるパターンは僕も好きですが、
やや出囃子に負けて伝わりづらかったか。
ネタの内容はスケールが小さいというか、
CMネタの畳み掛けを始めとしたテレビネタ中心のネタは
M-1向きではなかった印象。
ただ僕の中では最低点の72点でしたが、
それでもそんなに悪くはなかったと思います。

4番 ハリセンボン 9位・595点 タコ息子採点・74点

題材が悪すぎ。煮物をお隣さんに持っていくなんてネタは、
一見ありがちに見えるけど、実はリアリティのないネタの
代表格といっていいんじゃないでしょうか。
恋をしたらうんぬんはまああれは楽しみ方の一つとして、
実際は後のモンスターエンジンも言われてたけど、
ちょっと言葉が汚かったかな。
無欲の4位のあとのこの結果というのは、
01年3位の翌年最下位に沈んだアメリカザリガニとだぶりますね。
ただアメザリはその翌年も決勝に来てるから、
ハリセンボンにもそれを期待していいんじゃないでしょうか。
出場すればね。

5番 笑い飯 1位(最終結果2位)・668点 タコ息子採点・96点

もう期待通り、いやそれをはるかに上回る
すごいネタを持ってきましたね。
鳥人」って準決勝なんかのレポートを読んで、
「ちょうじん」だと思ってたら
「とりじん」だったんですね。
まずその響きから面白いし、
そんな架空のキャラをあの短い時間で浸透させつつ
「人鳥(じんどり)」という新しいワードを登場させて、
それをすぐさま「新沼人鳥」で使うっていうのは、
構成も世界観もズバ抜けて良かったです。
ほんと見てる最中ずっと確変入ってるような感じで、
常にフガフガしながら興奮して見入ってしまいました。
終わってから何回も見直したけど、それでも面白い。
ここに来てこれを出してこれるのは本当にすごいですよ。
でもR-1のバカリズムもそうだったけど、
こういうネタで優勝できないというのも、
なんとなくわかるところ。
ま、今回の場合は2本目がダメだったから、
一概にバカリズムと同じとは言えませんが、
100点つけてしまうようなネタは、
万人にわかるネタに負けてしまうんですかね。
それにしても得点でいってもアンタッチャブルに続く歴代2位。
優勝できなかったコンビの中ではダントツトップ。
というか、これについては2位も第3回の笑い飯だったり
するんですよね。
あと最終決戦に進めなかったコンビの中での最高得点も
笑い飯だったりするし、
本当に笑い飯M-1の最大の功労者だったと思います。
実は優勝記者会見では紳助さんが笑い飯は来年も出れると
断言したらしいんですが、
自分たちでもラストチャンスって言ってたし、
もう卒業でいいんじゃないかな。
それか挑戦させるんなら、変な言いがかりつける奴を封じるために、
来年は10回記念で芸歴縛りなくすとかいう
お膳立てをした上で笑い飯を出場させてあげたい。
いや、本当にすばらしいネタを見せていただきました。ありがとう。

6番 ハライチ 5位・628点 タコ息子採点・84点

なんか入りと最後がムダだったなぁという印象。
シンプルにノリボケ4分でよかったんじゃないかと。
その無駄な部分でどうしてもナイツより上にはできませんでした。
5位という成績は立派だし、ノリボケ部分も良かったんだけど、
笑い飯の後ということで、ネタ後のコメントも
さらっと流されちゃいましたね。
そういう意味では爪あとを残せたようで
残せていない感じになりましたか。
ここはツッコミの方の今後の活躍次第で、
来年残れるか残れないかが決まりそうです。

7番 モンスターエンジン 7位・610点 タコ息子採点・83点

ここも悪くなかったと思うけど、
笑い飯の世界観、ハライチの斬新のスタイルの後だと、
あまりに何も残らない漫才でしたね。
これだったら敗者復活見る限り、千鳥をあげて欲しかったというのが
正直な感想です。
ま、今までのことがあるから千鳥とポイズンは
なかなか上げにくいでしょうけどね・・・。

8番 パンクブーブー 2位(最終決戦1位)・651点 タコ息子採点・93点

同じ隣人ものでもこちらはリアリティのある(?)苦情ネタ。
テンポもいいし、ボケもふんだんに盛り込まれていたし、
ナイツの漫才よりも手数が多く感じた上に、
一つ一つのボケも破壊力が大きかった。
ツッコミの間もすばらしかったと思うし、文句なしでしたね。
1本目は笑い飯の衝撃があったので、
自分の採点でも2位におさまりましたが、
M-1で優勝できる漫才のお手本のような漫才だったと思います。

9番 NON STYLE(敗者復活) 3位・641点 タコ息子採点・92点

敗者復活と同じネタでしたが、
正直敗者復活戦で見たときはイマイチで、
その段階でNON STYLEは消えたと思っていました。
でも本選で見たときは面白かったなぁ。
ただ敗者復活戦の時に「消えた」と感じた理由は
コメントの紳助さんの言葉ではっきりしました。
たぶん失速したのって、石田が「飽きてきた」
と言うところからだと思うけど、
あそこから確かにネタ自体も飽きてきたという印象になってしまう。
ネタの中で使うフレーズとしては
有効でなかったのではないかと思います。

1stROUND終了

最終決戦に残ったのは笑い飯パンクブーブーNON STYLE
NON STYLEの連覇を煽る言葉もありましたが、
空気は笑い飯パンクブーブーでしたね。

最終決戦1番 NON STYLE

悪いネタではなかったけど、終わった段階で、
連覇はないなと確信できる出来でした。
でもノンスタはここまで来れただけで、
前年王者としての自分たちの仕事は十分にしたと思います。
M-1は連覇なんていう個人の記録よりも
新しいスターの誕生を望んでいるというのが、
はっきりわかる今回の大会でしたね。

最終決戦2番 パンクブーブー

面白いしいいネタなんだけど、
笑い飯優勝というのが頭によぎって、
もう消化試合のような感じで、
普通に楽しんでみていました。
本人たちもそれが頭にあったからか、
リラックスしてネタできていたと思います。

最終決戦3番 笑い飯

ここに来て旧作のコンボ。
まさに1本目で燃え尽きたという感じだったんでしょうか。
それともラスト(実際はラストじゃないけど)ということで、
自分たちの中で記念碑的なものをかけてきたんでしょうか。
真相はともかく、やはり旧作だったこともあり、
テンポが遅い。
昔はこれでも早くて斬新に見えていたけど、
今の高速時代にはテンポが遅すぎた。
ラクビーの方に入ってからは、
哲夫がほどんど何言ってるかわからないかったし、
最後の最後でやっちゃったなぁ・・・。
まだどちらか一本で、ゆっくり丁寧にやった方が
同じ遅くても、伝わったかと思いますが・・・。

結果発表

それでも松っちゃんや紳助さんは笑い飯に入れると思ったし、
2本目を見た上でも笑い飯が優勝だと思ってたんですが、
情だけではどうしようもできない出来の差があったんですかね。
今ちゃんも事前に「接戦」と予想してたけど、
蓋を開けたら驚きのパンクブーブー完全制覇。
1人1人の審査を読み上げるときも、
今ちゃんは驚きながら言ってる感じだったし、
何よりも本人たちが本気で驚いていましたね。
笑い飯に優勝させても文句はでなかったと思うけど、
それでも冷静に見たらこの審査で正解だったと思うし、
文句は何ひとつありません。
パンクブーブーは去年もファイナリスト予想に入れてたんですが、
今考えれば去年出れなかったことが
今年のこの結果につながったかな。
本当におめでとうございます。
     
で、来年の展望ですが、
昨日もちょこっと書いたけど、
有名どころが一気に卒業ということで、
かなり面子不足が予想されますね。
もし笑い飯が来年出るとしても、
なんか腑に落ちない点が出てくるし。
結成年が自己申告ではっきりしないのはまだいいとしても、
肝心の10年という線引きまでどこかよくわからないのは、
結果的に出る方が不幸を被ることになるんじゃないでしょうか。
これで来年笑い飯がまた決勝に出てきたら、
「10年越えてるのに」って叩かれるだろうし。
エントリー募集時に一言『○○年○月○日以降結成のコンビ』
って書けば済む話なのに、
なぜそれをしないのか、もどかしいところではあります。
ま、とにかく今年これだけ復活組が増えたのは、
この復活組の成長というよりかは、
むしろ若手の伸び悩みだと思うし、
それこそ来年は10回記念で、芸歴オープンくらいにしないと、
まともな8組が揃えられるのかと、
かなり不安です。
果たして来年はどうなることやら・・・。
   
M-1情報は『お笑いなぐり書き』より「M-1グランプリ2009」でご覧ください。